就任の御挨拶
庚子造船会は明治33年、西暦1900年の庚子(コウシ、カノエネ)の 年に母校大阪大学工学部の前身大阪工業高校の造船部に最初の学生が入学したのを機に設立された伝統ある同窓会です。明治36年、西暦1903年に第一回卒 業証書授与式が行われました。橋口寛信前理事長から次期理事長として就任の要請がありました時には極めて重い役職、大丈夫かなとの不安がありましたが、こ れも運命と受託させていただきました。
平成12年、西暦2000年には田中一朗理事長の下で庚子造船会百周年 の記念式典が盛大に執り行われ、記念事業の一環として発刊された「庚子造船会百年の歩み」に歴史が詳細に記載されています。理事長就任に当たり上記冊子を 読み返し、その伝統の素晴らしさに改めて感動しているところです。冊子も素晴らしい出来栄えです、どうぞ皆様も再読戴ければと思います。又同時に同窓会の 長に就任する事に身の引き締まる思いです。
平成20年、西暦2010年には橋口寛信理事長の下で百十周年の記念式典が行われ、次の記念式典は節目の百二十周年記念となります。
庚子造船会の平成23年発行の会員名簿には明治36年の第一回卒業の同窓生から記載されています。現時点で住所が不明の会員が約400名程度、1600名程度の会員に種々の連絡をしています。会費納入者が約三割の600名程度、一般の他の種々の同窓会の会費納入実績は約一割から少々下回る程度と言われていますので素晴らしい実績です。
同窓会を預かる役目として、まずは会員諸氏の住所録の更なる整備、その後より多くの会員諸氏から同窓会費を納めていただくような方策を図りたいと思っております。
同窓生は昭和50年、西暦1975年頃まで就職先はほぼ船舶関連企業で したが、その後は自動車関連産業、製鉄関連産業、機械関連産業など多岐の分野に渡っており、各分野でその能力はもとより人柄も含めて高い評価を戴いている ようで誠に喜ばしい事です。これらの評価は、母校の歴代諸先生方の教育姿勢並びにその時代に応じた適切なカリキュラムの編成など因るところが多く、改めて 感謝すると共にこれからもどうぞよろしくお願い申し上げる次第です。会則第3条には「会員相互の親睦を図り、あわせて船舶・航空機ならびに海洋に関する技 術の進歩発達を助けることを目的する」とありますが、昨今の就職分野を考慮すれば日本の工業技術全般の進歩発達も加えて、会員諸氏の活躍を期待したいもの です。各卒業年度の同級生にはそれぞれのクラス会がある事と存じます、それらは横の繋がりです、庚子造船会は縦の繋がりをも加えた組織です。昨年の大災害 以降盛んに絆と言われていますが、同窓会組織こそ、正に絆その物でしょう。大切にしたい組織です。
会員の皆様のご協力いただき年を重ねて益々同窓会が発展する一翼を担いと思っております。又会員の皆様のますますのご活躍とご健勝を願い、簡単ではございますが第15代理事長就任の御挨拶とさせていただきます。

冨田康光(昭和40年造船学科卒業)